一般的に売られている爪切りの刃の形状は直線状のものと曲線(カーブ)状のものがあります。カーブ刃のものは爪の先を丸い形に整えるのには向いていますが、足の爪用としては、まっすぐに切れる直線刃の方が適しています。
爪を切る前に、出来上がりをイメージしましょう。足の爪の長さは指先と同じくらいにそろえ、全体的な形は角に少し丸みのある四角形に整えるのが理想的です。このような形を「スクエアオフカット」といいます。
このような形に整えるためには、爪切りで端から端までまっすぐに切ったあと、両端の角だけを少し落とすようにします。爪の先の白い部分(遊離縁)は残っていてかまいません。巻き爪の場合には、爪切りを持った手を爪のカーブに合わせて回転させながら、少しずつ切るようにします。
仕上げに軽く爪ヤスリをかけて、切った面をなめらかにするとより良いでしょう。
短く切りすぎた「深爪」や、端を斜めに深く切り込んだ「バイアスカット」は避けましょう。陥入爪(かんにゅうそう)と言って爪が皮膚に食い込んで炎症を起こすことがあります。また爪が短すぎる状態が続くと、巻き爪や厚い爪などの変形が起こる可能性もあります。反対に長すぎる爪もいけないのです。これも靴による圧迫など余計な力を受けやすいため、痛みや変形が生じる原因になります。足の爪にはちょうど良い長さと形にいつも整えておくことが大切なのです。
ポイントは3つ
1.爪と刃の位置関係をしっかり確認しながら切ること。まわりの皮膚をうっかり切ってしまうことのないよう気をつけましょう。
2.刃先を使って少しずつ切るようにすること。一度に大きく切ろうとすると爪が思わぬ方向に割れてしまうことがあります。
3.切り残した部分がないように、最後まできちんと切ること。切り残した爪はトゲのようにとがっていて、皮膚を傷つける原因になります。
爪が伸びるスピードは、健康な成人で1日に0.1mmであり、20歳前後が最も伸び、そして50代になると成長のスピードは遅くなっていきます。加齢的変化により爪甲は厚みを増し、逆に前方に伸びるスピードは遅くなる傾向がみられます。また、爪が伸びるスピードには季節による変化があり、夏に最も速く、冬には遅くなることが知られています。爪をこまめにチェックし、いつもちょうど良い長さに整えておきましょう。
自分で爪を切れないお子さんやお年寄りなどのご家族の爪を切ってあげるときには、さらに慎重に行いましょう。まず指先が正面から見える体勢をとります。爪の周りに古い角質や汚れがたまっている場合には、湿らせた綿棒などでていねいに取りのぞきます。爪と皮膚の境界をはっきりさせ、安全に爪切りをするためです。
爪切りを持つ方と反対の手で爪の表面と指の腹を支えて安定させ、爪切りの刃が皮膚をはさんでいないことを確認しながら、片方の端から少しずつ切り進めるようにします。
巻き爪や厚い爪など、切るのが難しい場合には専門家や医療機関でのケアをおすすめします。